株式会社アルゴバース

3DCG技術で作業現場を変革。マニュアルはデジタルの時代へ。

株式会社アルゴバースは、タブレットやXRグラスなどのデバイスで動くマニュアルのアプリ「技術を伝える虎の巻 タイガーぐるぐる」を開発、販売しています。製造現場の作業工程を3DCG技術でデジタル上に再現し、見えない技術や伝わりづらい想いを分かりやすく説明できる革新的なデジタルツールです。

開発のきっかけは、代表の瀧田様が、半導体製造装置の部材を新市場に展開する際に、どのように説明するのか、分かりやすいサービスが無いことに苦心した自身の経験でした。
印象的なネーミングには同社の想いが込められており、「技術を伝える虎の巻」と、3DCGを指先で「ぐるぐる」回転させて見られることに由来しています。「製造現場で本当に使えるデジタルツール」を標榜し、新市場の開拓に挑戦している同社に、本事業に参加してどのような学びや成果を得たのか、お話を伺いました。

企業名:株式会社アルゴバース
住所:東京都千代田区丸の内2-3-2郵船ビルディング1階
企業HP:https://argo-ms.com/

Q.どのようなきっかけで本事業に参加しましたか。

A.自社製品の販路拡大に向け、事業計画を見直したかったからです。

特に、会社の経歴は長いものの、異なる会社の事業を統合させてきた経緯から、これまで培ったノウハウ、顧客との信頼関係、営業力などを客観的・俯瞰的に見て事業の再構築を考えるきっかけにしたいと思いました。

また、当社は属人的な業務が多いため、会社の成長に必要な力が分散しているようにも感じており、打開策をみつけるために参加しました。

Q.貴社の取り組みに対してどのような支援がありましたか。

A.プロジェクトのバックアップ体制について、担当アドバイザーから支援がありました。

当初は3DCGの制作を中国の会社に委託していましたが、制作コストが上昇傾向にあり課題に感じていました。また、特定の企業への依存度が高くなりすぎるのはリスクだと感じていたため、他のデザイン会社とのパートナーシップ締結を模索しました。「タイガーぐるぐる」の案件を安定的にこなすためには信頼できるパートナー企業を確保することが不可欠だと考えています。

Q.本事業に参加して得た成果はありますか。

A.営業体制を構築できたことです。当初は、テレアポやメールアポの取得を営業代行会社に外注していましたが、成果があまり出なかったため、自社で営業チームを発足させました。

現在は、各分野3名でチームを組み、お客様への提案や問い合わせ対応などを分担しています。限られたリソースの中で自社内に営業体制を構築できたことで、定期的な議論の場も増えて、メンバーの団結力がより強固になりました。ターゲットとなる業界やアプローチ手法の知見を社内に蓄積させられることも大きなメリットです。

また、作業をデジタル化する前の「作業工程の整理と分析」が強みであることも明確になりました。当社ではデジタル化する前の作業工程を細かくヒアリングし整理するだけでなく、製造業の工場ラインにいた経験のある技術者が、現場の工程をデジタル(タブレットやXRグラス等)で最適化されるように分析していきます。これは製造現場とCG/XRグラスアプリ両方の知識を持ち合わせているため可能になることで、他社との差別化になると考えています。本事業の企業変革スクールに参加することで他社の取り組みを知り、様々な意見交換を通して考え方が整理されました。

Q.今後の展開について教えてください。

A.特定の業界に特化して営業活動を行い、業界内でのシェア獲得を目指す方針です。また、その業界に特化したパートナー企業の開拓も行い、技術的な知見を積み重ねていきたいです。直観的に作業手順を理解できるサービスなので、外国人労働者向けや海外展開も視野に入れています。

また、弊社の既存事業である広報PRのノウハウを組み合わせて、事業の柱としてシナジーが生まれるように成長させていきたいです。具体的には、業界紙やウェブメディアを活用した記事広告や、展示会でのプロモーションなどを計画しています。選択と集中を行い、ターゲットとなる業界を明確にしたうえで、フットワークの軽さとチャレンジ精神を活かして、今後も事業発展に向けて積極的に取り組んでまいります。

アドバイザーからのコメント

アルゴバース様の最大の特長は「製造現場を熟知した3DCGのデザイン力」に尽きると思います。匠の技の継承については多くの製造業の課題となっていますが、「タイガーぐるぐる」にはその特長を丸ごと詰め込まれている製品となっています。3DCGデザインを手がける企業は数多くあっても、製造業の現場経験があり、ご自身が中小企業診断士の資格をお持ちの瀧田社長が「自分が欲しかったマニュアル」を具現化したこの製品はマネができないものとなっています。またXRグラスとの組み合わせにより遠隔地でのリモートによる使用も可能で、XRグラスが手頃な価格になりつつあることで、その活用範囲がさらに拡大しつつあります。最新の技術を取り入れながら持ち前のフットワークの軽さでチャレンジし続けるその姿勢によって「時代がアルゴバースに追いついてきた」とも言えます。公社の様々な事業も積極的にご利用いただいており今後のより一層の発展が期待されます。